・早期の血行再建、最終内固定方法のイメージをもつ
・治療方針
(1)3〜4時間以内
(2)健側と比較
(3)術前血管造影は禁忌(時間がかかる、IVRしないならスキップ)
造影CTは撮影
・治療手段
外科的血行再建か、IVRか
1,造影CT、Hard signの検討
2,完全断裂以外はIVRができる
3,Non Stenting Zone
(股関節、膝関節などは、可動性と分枝の多さから永続的ステントの使用は比較的禁忌)
・Hard sign
拍動性出血
急速に増大する血腫
阻血性徴候
・血行再建の手段選択
4時間に余裕がある場合:静脈採取→動脈移植
間に合わない場合のshunt利用
refill ○ Temporary shunt × Cross limb shunt (Lee 2011)
※ 近位断端が見えない場合は、intra -intra shuntは難しいので、
Cross limb shunt / intra distal shuntが選択される
※ Cross limb shuntは逆行性血管造影を行える
・Venus shuntの必要性
→intra vascularも使用して出血量を減少させる
※静脈をつなげないと出血量が4000ml、切断症例は必須!
※つなげる断端を破く可能性があるため、second venusのほうが?
Majorな静脈には敬意を払う
※Kが高い血液が送血されるため、カルチコールを事前に使用
→Vを繋ぐ前に、まず少し出血させてからつなぐ
・Cross limb shuntの用意
φ3mm以上の両端雄のヘパリンコーティングシャント(人工心肺回路用2000円)
→ヘパリンコーティングじゃないと詰まりやすい
鼠径 6Fr Aシース
足背 4Fr Aシース
・体位について
仰臥位(内側アプローチ) 94分
腹臥位(後方アプローチ) 163分
ゆるめの側臥位(froopy position、大伏在静脈は取りやすい)
・仰臥位内側アプローチについて
・メリット
仰臥位で静脈採取しておけば時間が70分早くなる
麻酔をかけながら、デブリードマンなどが出来る
術野の拡大が出来る
膝関節可動域
・デメリット
経験が必要
腓腹筋内側頭などの切離が必要
血管吻合の場所が深い
メモ
・造影欠損→側副血行路があっても、膝窩動脈重要であり修復しよう
・腋窩動脈解離による動脈阻血→refillがある場合は、まずIVRで修復(JBJS case reportより)
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血管縫合
・血管の確認
patencyが早くないといけない(Back flowの確認)
Zone of injuryの近位を狙う
Back wall tech
縫合 → 外側に引っ張る、前側に引っ張らない
静脈のBack flowが無いときは(タニケをしていても通常Back flowがある)
小児用硬膜外カテーテルを入れ、Back flow確認。
血管が柔らかく使用できる状態であれば利用可能。
・縫合練習方法
鶏肉、足や胸肉の血管を使用し、タイムトライアルや縦割して評価することが重要。
筋間中隔から目標まで追う練習は皮弁の練習になる、豚足で皮弁練習が出来る。
・LD皮弁でのエコー使用(実演)
クロールするポジションに臥位をとる
腋窩中央線にスケッチ、そこから筋間の血管を同定、血管茎をドップラーで同定、追う
一週間前に血管を確認し、Zone of injuryのスケッチ。
手術前日にも血管を確認する
おまけ <以前の新潟手の外科血管縫合特訓での所感>
1,血管径1~2mmの時には【8針のみ】で雑でも一撃で縫合。
「縫合が下手なので気合い入れて縫合しない。」位の気持ちだと力み加減が良かった。
縫合部をきつく縫合し、細かく縫って狭窄する原因となった。
きれいさを追求してバイトを小さくすると、内膜に貫通しない
(糸が内膜を貫通しないと血管壁再生が起こらず、電子顕微鏡レベルで見て段差ができる。)
ことが多かった。
集中力も針数が増えると非常に減退しているのが自分でもわかった。
<心がけたこと>
(1)バイトを多少大きくしても内膜貫通に集中する。
(2)ダブルでの縫合は緩くする。次のシングルはきつめ。
(3)絶対に8針だけで縫って止めてやろうとする強い意志
流速が強いと出血がひどいので、遠位部のクランプだけを一度解除して血流を一回縫合部に開通させて再クランプする。縫合部の内膜組織の再生が促され、ゆるめに縫合してあるような狭窄を起こさないことに心がけてある縫合でも5分位置くと出血しなくなる。特に、頸動脈は出血がガーゼ圧迫やfatを置くなどの姑息的手段では全く止血できないため有効。
<懸案事項>
(1)内膜再生に期待することが人間の血管も有効なのか。
(2)切断指だと血流は近位クランプのみ有効。応用できるか不明確。
(3)血管径が大きいときは針数を自分の能力範囲内で増やすのがベスト?
2,外膜は切りすぎない。
切りすぎて持つところが無くなって縫合しにくい。血管壁を持ちかねない。
3,ステイ以外の余計な糸はさっさと切ってしまう。
縫合が妨げられることが多かった。切ったあとも外膜をつかむよりはつかみやすいので、縫合したらきれいにカットしたほうが良かった
4,環境整備
ステイの糸は組織にくっつけとく。縫合場所にゴム手袋破片をバックに置く。常にネズミの歯にゴム引っかける。麻酔は1縫合で1時間分使用。ねじれが起こらないようにダブルクランプを置くように注意。頸動脈は近位部はダブルクランプをする方が良い。
5,静脈グラフトは切る前に処置
動脈の時には簡単だった外膜処置が難しいので、グラフトの前に外膜や周辺組織をトリミング。切った瞬間に弾力性が無くなって扱いづらい。
6,頚部の周辺組織は切らず、避けすぎず。
片肺換気、努力様呼吸になって二匹とも死んだので横隔神経を切ったか。正中部の剖出はしない。逆に、外側過ぎると静脈に当たった。
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